バイトの“愚行”対策 「育てる」スタバにヒントあり

<時給アップが無理なら…>

 暑すぎるからと冷蔵庫の中に入ったり、レジの上で脚を広げたり……アルバイトによる連日の悪ふざけ画像の投稿騒動には呆れるばかりだが、彼らはいずれ社会人になる身。きちんと育てないと会社の評判も地に落ちてしまう。

〈なぜこんなバイトを雇うのか〉〈どんな教育をしているんだ〉
 悪ふざけ画像投稿が発端で“炎上”した企業は、アルバイトを管理する社員の教育徹底にてんやわんやだが、すぐに成果が出るわけではない。

 2万人超のアルバイトを抱える牛丼の吉野家は6年前、男性店員2人が豚丼の肉を山盛りにし、「テラ豚丼」(超大盛りのこと)と呼び合ってフザケるさまを動画サイトに投稿され、とんだ騒動になった。

 その苦い経験から、店舗に配布する「コンプライアンスハンドブック」にソーシャルメディアの項目を追加したが、アルバイトが半年から1年で入れ替わるため、なかなか定着していない。それに、こうしたハンドブックには、別の落とし穴もある。

「結局、マニュアル化だけが進む可能性があります。現場も〈ハンドブックに書いてあるからよく読め〉になって、コミュニケーション不全に陥ってしまうのです。マニュアルに追加で載る項目も、アルバイトによる不測の事態が起こった場合の対応法がほとんどで、これでは根本的な改善になりません。今後はアルバイトを〈使い捨てる〉から〈育てる〉にシフトする必要があるでしょう」(人材育成コンサルタント・内田和俊氏)

 とはいえ、一部のバカのために不買運動でも起こったらタマらない。

 一連の騒動が、時給の安いコンビニやフードチェーンばかりで起こることから、「もっと時給が高ければこんなことは起こらない」という声もあるが、そうとも言えないようだ。

<「育てる」スタバにヒントあり>

 学生の間で、就活に役立ってお金も稼げると評判のアルバイトがある。“鉄板バイト”と呼ばれ、その筆頭は意外にも、スターバックスコーヒーだ。

「スターバックスは、店長がアルバイトを頭ごなしに叱ったりせず、やる気を引き出すことに注力しています。仕事を覚えたアルバイトに新人アルバイト教育を任せ、3カ月に1度人事考課を行い、チェックシートをもとに店長とアルバイトが個人目標について話し合いの場を設けています」(ハナマルキャリア総合研究所の上田晶美代表)

 同社の求人を見ると、時給900円から1100円。研修期間の約2カ月間は880円だから、決して「割のいいアルバイト」ではない。

 要は、雇う側がどうやってノセるかにかかっているのだ。

日刊ゲンダイ 8月14日(水)10時26分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130814-00000005-nkgendai-ent

「威圧」か「信望」か、出世の道には2つあり? 優秀な上司の力とは

(CNN) 組織のトップに登り詰めたければ、好かれるよりも恐れられる方が良いのかもしれない。最近の研究によれば、高圧的な人であっても、スキルが高く知識豊富な人と同じくらいの割合で高い社会的地位に昇れることが明らかになった。

カナダ・バンクーバーのブリティッシュコロンビア大学での研究では2種類の実験を通じ、「威圧」(恐れを抱かせるための力や威嚇行為の行使)と、「信望」(尊敬を得るための専門性や技能の発揮)が、社会的な地位や影響力の獲得にどのように利用できるのかを調査した。

研究を主導したブリティシュコロンビア大学心理学部博士課程のジョウイ・チェン氏は、社会心理学における長年の「常識」では、リーダーになるには所属する組織に貢献し、自分を犠牲にして、専門的な能力を実践して見せなければならないと思われているが、実際はそうではないと指摘。

現実の職場などで人々が、利己的だったり、高圧的だったり、場合によっては特に有能ではない上司に対しても従うのは、そうしなければ悪い結果がもたらされると考えるからだという。

1つ目の実験では、191人の学生を4~6人のグループに分けて問題解決の演習に参加させ、それをビデオ録画した。そして、参加者同士で「影響力とリーダーシップ」と、「威圧」と「信望」を評価させたのだが、「威圧」と「信望」の高さと「影響力」の高さは比例するとの結果が出た。
2つ目の実験では、視線を追跡できる装置を装着した59人の別の参加者に1つ目の実験のビデオを見せた。ビデオの中の人たちで59人の視線をより多く集めたのは、「威圧」または「信望」が高いと評価されていた人たちであり、この人たちが、より強い「影響力」を持つことを示唆する結果となった。

またこの研究では、「威圧」を持つ人は、他人にあまり好かれてはいなくとも「影響力」を持つということも分かった。

チェン氏は、「影響力」を持つためには、人に好かれるだけでなく、スキルも兼ね備えて「信望」を得るか、あるいは、他人に嫌われ高圧的であっても恐れられるくらいでなければならないとの見方を示す。

幹部職向けの人材開発コンサルティング会社の社長ジョン・ボールドニ氏は、「信望」タイプの方が企業の中で出世して業績によって上級幹部になるべく育成される可能性が高いことが多いとしながらも、「有能な人物が必ずしも良いリーダーになれるとは限らない」と指摘。有能な人でも、自分の権限をどのように用いるべきかを理解して、人々が従いたくなるように他人とうまく付き合わなければならないという。

ボールドニ氏はまた、リーダーにとって「威圧」が重要であることには同意するが、行き過ぎると周りの人に嫌われ反発を呼び、いじめとも受け止められかねないと警告。同氏は「高圧的な人には臆病な人が多い」とも付け加えた。
ブリティッシュコロンビア大学のチェン氏は、誰でも「威圧」や「信望」を得られるが、個人差があるし、周りの状況にも左右されると指摘。「自分がどんな人間なのかや、相手がどんな人間なのかによって、どのような戦略を活用できるのかが決まってくる」と説明する。

長期的には「信望」の方が「威圧」よりもリーダーシップには有効だと考えられるかもしれないが、チェン氏の以前の研究では両者には差は見られなかった。

チェン氏のチームは現在、「威圧」のあるリーダーと「信望」を持つリーダーとでは、そのどちらが率いるグループの方がより優れた成果を上げるのかを研究している。

研究の初期段階では、私たちの直感とも一致する結果が出ているとチェン氏は指摘。急いで決定を下し仕事を完成させなければならない課題においては「威圧」のあるリーダーのグループが優れており、創造性をより求められ下位のメンバーからの情報も必要とされる課題においては「信望」のあるリーダーのグループが優れているという。
CNN.co.jp 1月29日(火)12時34分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130129-35027218-cnn-int

サイゼリヤにロイホ…売上アップの秘訣は社員を「褒める」?

 本日(12月25日)の日経新聞朝刊から気になるニュースを拾い読み。まじめな1面記事から、会話のネタに使えそうな記事まで、日替わりでピックアップします。

【本日の注目記事】
飲食店店員 褒めて繁盛

 本日の注目は、キャリアアップ面から「飲食店店員 褒めて繁盛」の記事。労働環境が厳しく離職率が高い職場として知られる外食産業で、「褒めて伸ばす」型の人材育成が広がっているとのこと。

 リーズナブルなイタリアンレストランとしてお馴染みのサイゼリヤでは今、社員の良かった点を別の社員が褒める「コンプる」という研修を実施している。職場の雰囲気が良くなり、常連の客の反応も上々。客単価、売上高が前年水準を超える店舗が増えているのだという。同社もかつては、外食産業のスタンダード「スパルタ教育」が当たり前だったが、この「コンプる」の効果が浸透しつつあり、社員・パートの離職率が減りつつあるのだという。

 また、ファミリーレストランのロイヤルホストでは、11年春に立ち上げた人材育成システム「フードビジネスアカデミー」で、褒めて育てる「コーチング」の技術習得を促している。ある店長は、この研修を受け、習得した技術を実践したことで「客が喜ぶことに従業員が喜びを感じるようになってきた」と感じているのだそうだ。その他、記事ではバイト店員のアイデアをサービスに反映、評価するシステムを作り、やる気を引き出そうとする企業などが紹介されている。

 店員同士がなあなあになり、サービスの質が著しく落ちるのは避けてもらいたいところだが、店員のミスに怒号が飛ぶような、あまりにギスギスし過ぎた店では気持ちよく食事ができないのも確か。働く側、利用する側両方のためにも、この「褒めて繁盛」が、かつては「労働環境が厳しい」ともいわれた外食産業の体質改善につながることを期待したい。

Business Journal 12月25日(火)14時30分配信

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121225-00000305-bjournal-bus_all

どのように育てれば「自発的な部下」になるのか

ボクの不安が「働く力」に変わるとき:
 上司からは部下を動かすように言われ、部下からは「会社側の人間」と見られてしまう。上司と部下の間で板挟みになっている中間管理職は、仕事上の役割として疎外感がある最も辛い立場です。

 できれば今までのように、仲間としてみんな(部下)と接したいし、接してあげたい。けれども、立場上、少し厳しいことも部下に言わなければならない。このような立場で、どのように部下に接したらいいのか分からないと悩んでいる中間管理職の人もたくさんいることでしょう。

 そこで今回は、中間管理職のための「自発的な部下の育て方」についてお話をしたいと思います。

筆者注:「部下」は上から見下されている印象があるため、個人的にあまり使わない表現ですが、中間管理職の立場を示す際、「上司」「部下」が分かりやすいため、本稿では「上司」「部下」と表現します。

●中間管理職になって初めて分かる「人を動かす難しさ」

 中間管理職になって初めて気づくことは、「いかに人を動かすことが難しいか」ということです。部下に対してプレッシャーをかけると、しぶしぶはやってくれるものの嫌な顔をされてしまう。本当は自分から気がついて動いてほしいのに、なかなか自発的には動いてくれない。

 近年では、労働者の鬱(うつ)も問題になっています。「自分のコミュニケーションのせいで鬱にしてしまったらどうしよう」と恐れて叱れない人もいるかもしれません。

 部下だってそうです。プレッシャーばかりかけられる毎日では、仕事がつまらなくなってきます。職場の雰囲気も悪くなってきて、仕事にも積極的に取り組みたくなくなり、負のスパイラルに入ってしまいます。

 本当は自分だって、部下とともに楽しく働きたい。けれども、どのように接したらいいのか分からないので、結局、プレッシャーをかけるしかない。それが、中間管理職の悩みです。

●人の「行動の源泉」

 私も中間管理職のころ、同じような悩みを抱えていました。中間管理職が1人だったので誰にも相談できず、1人疎外感を抱いていました。けれども、リーダーの務めを果たさなければなりません。そこで、私が取っていた行動は、私自身が一般社員の時に受けてきた「プレッシャーをかける」という方法でした。「もっと自発的になりなさい」とも言っていましたが、部下はなかなか自発的になってくれません。

 私には以前、A君という部下がいました。彼は言われたことはきちんとやるのですが、自発的ではないタイプです。

 しかしある日、私はA君が自発的になった瞬間を目撃しました。それは、A君が同僚と釣りの約束をしていたときのこと。「明日は朝3時ね」と待ち合わせ時間を自ら相談している姿を目撃したのです。

 「仕事では自発的ではないA君が、なぜ釣りには喜んで朝3時に起きて出かけていくのだろう?」。こうしたことを考えていくうちに、職場に足りないものは何かが分かってきました。それは「楽しさ」でした。

 よく考えてみたらとても単純なことでした。人というのは「楽しければ行動するし、楽しくなければ行動しない」「楽しいことには積極的に関わろうとするし。楽しくないことにはできるだけ避けようとする」――それが、私たちの行動の源泉です。

 しかし仕事になると、プレッシャーをかけて部下を動かそうとしてしまっていた自分に気がつきました。

●自発的な部下を育てるときに言ってはいけない一言

 中間管理職のころ、私は「自発的になりなさい」という言葉をよく使いました。最近になって、この言葉は禁句だと思うようになってきました。

 自発的とは、本来「自ら動く」ということですが、「自発的になりなさい」という言葉自体、かなり強い命令です。「自ら動く」ことを強要していることになるので、この時点で自発的とは言えません。

 しかも「自発的になりなさい」という言葉は、暗に「あなたは自発的ではない」ということを指していることになります。この一言は、知らず知らずのうちに部下の自尊心を傷つけてしまいます。私も以前、この言葉をかけられたことがあるのですが、かなり傷ついたことを思い出します。

 自発的な部下を育てるためには、「自発的になりなさい」と直接的に命令するのではなく、「職場がどうやったら楽しくなるのか」をベースに、「結果的に自発的になる」方法を考えていく必要があるんじゃないかと思っています。

●楽しさとは「小さな成長感」

 職場の「楽しさ」を作るために「褒めて育てよう」という人がいます。しかし、褒め慣れていない人にとって「褒めなさい」と言われても、実際はなかなか褒められないのですよね。実は私自身、「褒める」のが苦手。意識して「褒めよう」と思うと緊張し、何かわざとらしく、ぎこちない言い方になってしまいます。

 また「褒める」とは、ある結果に対して「あなたはすばらしい」と伝えることですが、「褒める」にはやや上から目線の印象があります。なぜなら、部下の行動に対して「すばらしい」「すばらしくない」と評価をくだすことでもあるからです。

 では、どのように「楽しさ」を作っていったらいいのでしょうか。

 人が楽しさを感じることの1つに「成長感」があります。成長感なんて書くと、何か大げさに聞こえるかもしれませんが、「前より改善した」「今までできなかったことができるようになった」といった「小さな変化」のこと。成長感を感じたとき、人はうれしくなり、楽しくなります。

 「成長感を伝える」とは、「褒める」とは少しニュアンスが違います。「あなたはすばらしい」と評価する必要はなく、「以前できなかった○○ができるようになった」「以前は○○だったけど、今は○○だ」というように、行動のプロセスに対する変化や事実を伝えることなので、無理に褒める必要がなく、伝える緊張感も和らぎます。

 また「がんばってきたね」というねぎらいも成長感を伝える1つです。部下に「自分のことを見ていてくれている」「認めてくれている」ということが伝わるでしょう。

 リーダーシップという言葉の響きには、何か「決断」「陣頭指揮」「強さ」という印象があります。だからこそ、中間管理職になったとき「しっかりしなければ」「叱らなければならない」と思うのでしょう。

 部下を動かすためには、強力なリーダーシップも時には必要なシーンがあるかもしれません。けれども、強いリーダーシップは動いていないものを無理に動かすことになるので、リーダー自身も部下も非常に疲れてしまいます。まず、部下の首につけていた縄をほどくこと。そして、後ろからそっと後押しするコミュニケーション力を身に付けること。そうすることで、実はそんなにがんばることなく、中間管理職も楽しく仕事ができるようになるのではないかなと思っています。[竹内義晴,Business Media 誠]
誠 Biz.ID 12月19日(水)9時55分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121219-00000018-zdn_b-bus_all

上司に注文ばかりつけてはいけない――部下がすべきこと

田中淳子のあっぱれ上司!:
 「マネージャーになってから一度も褒められたことがない」と苦笑いしていた人がいた。部下からは「あれがおかしい」「これをどうにかしてくれ」「こういう問題がある」「ここを決めてくれないと困る」とあれこれ陳情やクレームは来るけれど、その対応が済んだからといって、部下から「ありがとう」と言われることもない。ましてや、褒められることなど皆無だというのだ。

 彼は中間管理職なので、部長や本部長など上にも多くのポジションがあるのだが、そういった上司からも褒められないらしい。「今期の売り上げはどうなっている?」「部下をきちんと指導しているのか?」と厳しいことは言われても「がんばっているね」「よくやったね」とは言われない。「もちろん、華々しい成果を出せていないから、仕方がないのですけどね。それでも、たまには褒められたいものです」と自嘲気味に語ってくれた。

 部下は、上司があれこれ多くのことをしてくれるはずだと期待する。中には自分がすればよいようなことまで「上司の判断を待って」「上司が指示してくれないからまだ動けない」など自分で行動に制約を付け、上司に何かことを起こすことをゆだねるケースもある。その結果、上司に対して、多くの注文を付ける。それらをやってくれない、やってはくれるが動きが遅い、という場合は「報告しても対応してくれない」「頼んだのにやってくれない」「説明したのに忘れてしまった」と上司の不足している部分にばかり目を向けてしまう。

 一方で「頼んだことをやってくれた」「説明したことをいつまでも覚えていてくれた」という「よいこと」については、あまり意識が向かないので、部下から上司を褒めたり上司に感謝の言葉を伝えたりということはまずないようなのだ。

 でも上司だって人間だし、実は、不安を抱えている人も多いように思う。「自分が下した決断は正しいのか?」「自分が考えた優先順位の通り進めても大丈夫か?」。そうやっていつもドキドキしている。でも、それを部下に見せるわけにはいかないため、心の中で一人悶々と葛藤を続けている。それが「上司」なのではないだろうか。

●新任マネージャーにとっての安心材料

 ずいぶん前の経験だが、私の職場で大きな組織変更があり、ある人が急に大きな部門を任されることになった。そのマネージャーと私はそれまで数年間、同じチームにいたので、どんな人かだいたいは分かっていたが、新しく彼女が見ることとなる組織のメンバーにとって彼女は「未知」の存在だった。当然、その組織の特に若手メンバーは「どういうマネージャーなんだろう?」「何か大きく変わってしまうようなことはあるのだろうか?」と動揺していた。

 そのさなか、新任マネージャーである彼女は、全メンバーにこんなメールを出した。

 「○○部を任されることになった××です。皆さんは、私のことをほとんどご存じないと思います。ですから、不安や疑問をたくさん抱えていることでしょう。できるだけ早く全員で顔合わせができるようキックオフミーティングをしますが、現時点では大きく何かを変えることはないので、落ち着いて日々の仕事に取り組んでください。動揺している人も多いかもしれないので、取り急ぎメールを出しました。何か疑問や不安、困ったことがあれば、私に何でも言ってきてください。メールでも直接捕まえてでも構いません。これからどうぞよろしくお願いします」

 これを読んだ若手たちが「ああ、怖そうな人じゃなくてよかった」「話しやすい感じがする人だったね」とランチタイムに話題にしているのをたまたま耳にした私は、新任マネージャーにそっと伝えた。

 「昨日のメール、若手がとてもうれしかったみたいですよ。不安だったけど少し安心した、というようなことを話していましたから」というと、彼女は心底ホッとした表情を浮かべ、こう言った。

 「ああ、よかった。メールを出すかどうか迷ったのよ。本来ならFace to Faceで話すべきだと思ったのだけれど、今、全体的に多忙な時期で、大勢が集まる機会を待っていたら、皆の動揺が広まるばかりかなあと懸念したから、メールで第一声だけでも発しておこうと思って。でも出した後、『あれでよかったのだろうか。気持ちは伝わるだろうか。余計に混乱させたりしないだろうか』とずっと心配だったの。メンバーが安心したというのを聞いて、ホッとした」

 若いメンバー中心の新しい組織なため、誰もマネージャーである彼女に直接はフィードバックしないであろうと思ったので、年齢が近い私が若手メンバーの反応を彼女に伝えたのだが、これが新任マネージャーにとっての安心材料になったようである。

●分かってくれる人がいた

 そういえば、私が以前仕事でご一緒させていただいたある組織で、部下に怖れられている名物マネージャーのTさんがいた。部下がいつも「Tさんは、本当に怖い。ちょっとしたことでも細かく突っ込んで来て、ホッとする間もない。品質へのこだわりは一切妥協しないし、いい加減に許してくれと思うこともある」と嘆いていた。

 そのTさんとも親しかった私は、彼がどういう思いで仕事をしているか、よく理解していたので部下たちが上司についての愚痴をこぼす際、「そうはいっても、そのこだわりがあるからこそ、いつもよい仕事ができているんだよ」とフォローしていた。マネージャーも自分がうるさいと思われていることは重々承知していた。それでもプロとして妥協したくないという一心で、自分にも部下にもかなり厳しくしていたのだと思う。

 何年かしてこのTさんはその組織を去ることになった。「あのマネージャーの元で働くのは大変!」と愚痴っていた部下たちや以前の部署の元部下たちが総出で送別会を開いた。その席で、隣り合った中堅リーダークラスの元部下がTさんにこんな風に語ったそうだ。

 「若いころ、Tさんと仕事していた時、正直言って細かいし、しつこいし、嫌だなと思っていた。でも、ああやって細かいことまで指導されたことが今の自分の糧になっていて、それに今思えばTさんと仕事をしていた時が一番楽しかったです」

 これを聞き、Tさんはいたく感動したという。「分かってくれる人がいたんだなと思って、ちょっと嬉しかった」と言っていた。

●上司も褒められたい

 上司だって褒められたい。感謝もされたい。認められたいのだ。部下は上司に注文を付けるばかりではなく、「上司だからやって当たり前」と思うのではなく、上司がしてくれたことにもう少し目を向け、「助かりました」「ありがとうございました」と伝えてみてはどうだろうか。それだけで、上司も元気になり、勇気が沸き、自信を持てるようになる。

 どんなに自信満々に見える上司でも、たいていの場合、内面はそれほど自信を持っていない。もし他者からの承認も得ていないのに自信満々の上司がいたならば、それは「根拠のない自信」である可能性がある。「根拠のある自信」は、他者からの承認によって得られるものだ。上司のさらに上司も部下である「マネージャー」をもっと意識的に褒めてやってほしいと思うが、より身近で褒めることができるのは、実は部下なのである。

 人間が一番がんばれるのは、他者から褒めたり認められたりした時だと思う。それは部下も上司も同じなのである。

[田中淳子,Business Media 誠]
誠 Biz.ID 12月6日(木)9時39分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121206-00000021-zdn_b-bus_all

上手に人を褒める4つのテクニック

ああしてもこうしても大差がない時、私たちはよく「五十歩百歩」、「似たり寄ったり」という表現を使います。けれども厳密にこれらの言葉の意味を問うなら、それぞれきちんと違いがあることがわかるでしょうか?「五十歩」と「百歩」は明らかに違うし、「似る」と「寄る」も違う。その使われ方も、違って当然です。

こんなに単語の違いにこだわるのは、辞書的には同じような意味でも、使う単語によって伝わるニュアンスが相当変わり得ることを強調したいからです。韓国語には「アが違ってオが違う」という表現があります。これは、「ア」が必要な時には「ア」を、「オ」が必要な時にはきちんと「オ」を使わなければ、場合によっては正反対の結果をもたらすことがある、言葉選びには気をつけなさい、という意味です。品のある言葉づかいを目指すなら、適切な言葉選びは基本中の基本であることを、覚えておいてください。

誰かを褒めるシーンで考えてみましょう。褒め言葉の品を高めるためには、状況に合った適切なタイミングで、適切な言葉によって、適切に褒める技術が必要です。この技術は上司を褒める時、いうならば「おべっか」にもそのまま適用できます。上司に心から喜んでもらえるエールとなるか、それとも同僚から失笑されるわざとらしい媚(こ)びとなるかは、褒める技術を正しく使えるかどうかにかかっています。

褒めることの効果や技術については昨今さまざまな媒体で取り上げられることが多いので、ここでは「おべっか」に関することにのみ、焦点を絞っていきます。

まず「おべっか」の効果から検証してみましょう。

当たり前のことながら、上司も人間です。励まされ、能力を認められれば、自信が増します。それは結果的に部下に対する好意となって戻ってきます。

「真のおべっか」は上司を変えます。フランスの思想家ラ・ロシュフコーの言葉を借りれば、「人は褒められると、その分自分の長所を伸ばそうと一層の努力をする。才知や容色や勇気もまた、人さまに褒めてもらうことで大きくなり、磨きもかかる」。もう一つ紹介しましょう。司馬遷の『史記』には「まずはなだめ、それから導け」という格言があります。これらは上司に進言する時、心に留めておきたい言葉です。

「心にもないお世辞を言え」という意味では決してありません。しらじらしいおべっかは論外です。学校の先生が教壇から見下ろせば「生徒のことはすべてお見通し」となるように、一段高いところで構えている上司は、部下の本心までも見抜いてしまうものです。見返りを期待してあからさまなおべっかを使うような部下は上司の信頼を失い、卑屈なごますり人間との烙印を押されてしまうだけです。そこで必要なのが、卑屈には見えず、しかし上司の士気を高めることのできる「真のおべっか」の技術なのです。

事実を言うこと

「おべっか」を使う時、もっとも気をつけなければならないのは、そのおべっかが「事実に基づいているかどうか」です。事実とは無関係にただあたり の良い言葉を並べても、「腰ぎんちゃくのごますり」となってしまうだけです。常識のある上司なら、すでに自分の欠点と長所が何なのかはわかっているもの。 したがって、上司の実際にある長所に対して具体的な賞賛を送ることが一番重要な技術となります。これは、上司から仕事術を学ぶにあたっても効果的な方法で す。上司の力量に対して、敬意と感動の気持ちを素直に表してみれば、きっと上司は、快く業務上のノウハウを教えてくれるようになるでしょう。

語感をチェック

冒頭でも触れたように、上司と話す時も単語のニュアンスには細心の注意を払いましょう。二〇〇九年七月、アメリカへ出張に行った時のことです。私の不在中、ソウル市が集中豪雨に見舞われ、ソンパ区にあるマンション駐車場が崩れ落ちる事故が起きました。幸 い人命被害はなかったものの、本当にひやりとした事故でした。

帰国後、この事故についてある人物がこう言いました。
「区長がいなかったので、本当に大変でしたよ」
また、別のある人物はこう言いました。
「たまたまリーダーがいらっしゃらない時に、こんな不運が……。残念なことです」

どうでしょう?おそらくこの二人は同じことを私に伝えようとしているのだと思いますが、ニュアンスがずいぶん異なって聞こえませんか。前者の方は批判めいて聞こえます。聞く方の立場に立てば、どちらに好感が持てるか明らかですね。

さり気なさが美徳

あまりにストレートな「おべっか」は逆効果です。それとなく自分の気持ちを伝え、さり気なくも洗練された「おべっか」が「真のおべっか」です。

一九世紀、イギリスの作家だったチャールズ・カレブ・コルトンは、著書の中表紙にこう記しています。「本書を、自ら考える人々に贈る」。自分の本を読んでくれる読者のことをさり気なく「自ら考える人々=知性のある人々」と高めた彼の技術は、なかなか素敵です。

またアメリカの「タイム」誌編集長リチャード・ステンゲルは、やはり著書『「おしゃべりな人」が得をする―おべっか・お世辞の人間学―』でこう 語っています。「マキャヴェリは、一五世紀フィレンツェの偉大な統治者であったロレンツォ・デ・メディチの機嫌を取るため『君主論』を献上したが、そこで 『時代が偉人を求めている。ロレンツォだけが時代の空白を埋めることができる』と賛辞を贈った。しかしマキャヴェリは決して、直接的な表現を使ってロレン ツォを褒め称えることをしなかった」

愉快なおべっかを

最後に強調しておきたい技術は、ユーモア感覚です。気の利いたユーモアは、品格あるおべっかには必須です。

これは、新聞社に勤務している後輩から聞いた話です。後輩の働く部署ではこれぞ「おべっかの達人」というような人物がいたそうです。他の人が言うと気恥ずかしくなるようなおべっかも、この人の口から出ると聞く側の気分が明るくなり、周囲が笑いに包まれるのだとか。

日差しのとても暖かいある日のこと、後輩の部署で部長を始め職員みなでお昼ご飯に出かけました。この時、おべっかの達人が部長を見て言いました。「ああ、天気が本当に晴れやかです。これもすべて部長のおかげです」。これを聞いた部長の表情は天気よりももっと明るくなったそうです。大切なことは、ここに居合わせた職員すべてがこれを「純粋なユーモア」と受け止めたこと。

あくる日。職員がまた、お昼ご飯を食べに外へ出ました。ところが前日とはうって変わったお天気で、雷がゴロゴロ、雨風も吹いていました。みんなの視線が「おべっかの達人」に集中しています。晴れやかな天気が部長のおかげなら、悪天候も部長のせいなのでしょうか? ところが彼はまったく慌てず、こう言いました。「今日はひどい荒れ模様ですね。全職員の不徳の致すところです」。こう言われて、部長はどんな気分になったでしょう?

この日もみなが楽しい気持ちになって昼食に向かったことは言うまでもありません。

聞く人の気分を盛り上げ、周りの人を楽しい気持ちにさせる言葉。これぞ思慮深く格調高い「真のおべっか」です。

組織の中で生きていると、社内外のさまざまな組織、さまざまな上下関係の人と協力して仕事を進めていかねばならない時が多々あるものです。複雑多岐にわたる人間関係において、褒め言葉やおべっかは、地位の上下にかかわらず、他人とのコミュニケーションを活発かつ円滑にしてくれる有効な手段となります。

格調高いおべっかは上司の気分を盛り上げますし、そうしたおべっかを使ってくれる部下に対しては、上司も目をかけるようになります。だから「事実を適切に、さり気なく、楽しく」褒めることが大切です。もちろんその前に、実務上きちんとした貢献を果たしていることは言うまでもありません。

もう一つ、管理職レベルの女性に一言捧げたい言葉があります。私が部下と話をしていて、抜群の効果を発揮する褒め言葉です。

「それ、本当に的確な指摘ね」

ポンッとこの言葉を投げかけるだけで、部下の表情がぐんと明るくなります。自信を与える魔法の言葉ですね。管理職にある女性は、ぜひうまく使ってみてください。

人は「どうぞ批判してくれ」と言うが、
欲しているのは賞賛である

サマセット・モーム(作家)

2012年2月8日 日経ウーマンオンライン

http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20120124/117175/?P=3

“褒めて伸ばす”は本当だった

運動トレーニングを行った際に他人から褒められると、運動技能が高まることを、自然科学研究機構 生理学研究所の定藤規弘教授や名古屋工業大学の田中悟志・テニュアトラック准教授、東京大学先端科学技術研究センターの渡邊克巳准教授などの研究チームが証明した。

研究チームは、右利きの成人の男女48人に、30秒間のうちにできるだけ速く、順番通りにキーボードを打つといった、連続的な指の動かし方を覚えても らった。そのトレーニングの直後に48人を「自分の技能が褒められたグループ」「他人の技能が褒められるのを見たグループ」「自分の技能の成績グラフだけ を見せられたグループ」に分けた。翌日に、覚えた技能を披露するテスト(30秒間のうちにある順番で何回打てるか)を行ったところ、自分が褒められたグ ループの成績(回数)は20.0%伸びた。他人が褒められたグループの伸びは14.4%、自分の成績を見たグループの伸びは13.1%にとどまった。

定藤教授は「褒められることは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬だ。この社会的報酬を得ることで、運動技能の取得がより上手に促されることを証明した。“褒めて伸ばす”ことの科学的な妥当性を示すものであり、教育やリハビリテーションにおいて、より効果的な“褒め”の方略につながる可能性 がある」と話している。

なお今回の研究は、文部科学省科学研究費補助金の補助を受けて行われた。研究結果は7日、米オンライン科学誌「PLoS ONE」に発表された。
ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 11月9日(金)12時55分配信

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121109-00000000-natiogeo-int